はじめに
待望のフィジカル盤ニューシングルの発売
2021年12月22日冬至に小沢健二の待望のニューシングルが発売されました。しかもファン待望の曲『飛行する君と僕のために』がバンド録音で収録。
この曲は2016年のツアー『魔法的』で初披露されて以来、ファンの間でも人気の曲の一つ。
フジロック2017のホワイトステージでもスカパラホーンズを加えて演奏がなされ、また2019年11月に行われたライブ『飛ばせ湾岸』新木場・豊洲でも、事前にSNS上で募集されたファンによる多くのリクエストにより演奏されました。
2021年12月15日現在(本ブログ記事公開時)、同時発売される再販盤ファーストアルバム『犬は吠えるがキャラバンは進む』とともに、アルバムアートワークとジャケットデザインの一部が公開されています。
また、2021年12月11日にはMVの30秒ティーザーがSNS上に公開されました。
— Ozawa Kenji 小沢健二 (@iamOzawaKenji) December 11, 2021
加えて、発売日当日の2021年12月22日午前0時にはMVが公開されました。
今回取り上げる地図はこれらの中に含まれていました。
(なお、公開されたMVを確認したところ、地図が描かれているのはティーザーとして公開された部分だけでした。)
しかし、実際の星座には同じ形のものはないようです。
例えばブルックリンの「W」のような形をした星座は一見カシオペア座かと思いきや、真ん中に線が描かれています。
ということは、これは実際の星座をNYCの地図に落としたのではなくて、星の場所がNYCの様々な場所を示していて、それをプロットしているのではないでしょうか。
というわけで、公開されたMVやCD盤の写真を基に星の場所を地図上にプロットしてみました。
※なお、今回調べようとした動機は、単純にNYCの街並みを知りたい、という興味がきっかけです。
そして、地図の星の場所が歌詞の場所とリンクしているのではないか、と考えたから。
今回の試みで実際に小沢健二さんと関係がある、例えば小沢健二さんの思い入れのある場所なのではないか、ということを検証するものではありません。
そんなことをしたらご本人の創作もやりにくくなると思うので...悪しからず。
※※【2021.12.23追記】...と、思ったのですが、後日ご本人のツイート(後述)で星は実際のNYの場所で、ご自身のゆかりのある地を含むことが判明したので...逆にちょっと掘り下げにくくなってしまいました😅
機窓からみた夜景と地図上の星
地上の夜景を飛行機の窓から見ると、都市の灯りって星みたいですよね。
地上の夜の星たち。そこにある場所。それらの星々を結んでできた星座。
誰も知らない、自分や家族、友人たちだけの星座を作ったら素敵だろうな...。
こないだ飛行機から窓の外を眺めていて、ふとそう思っていたんですが、今回のCD盤やMVの地図を見て、「もしかしたら...!」と思ったのが今回のきっかけでした。
NYC上に描かれた星座と星の位置関係について
現在見ることの出来る地図はCD盤上に描かれたものと、SNS上で公開されているMVのティーザーに現れるもの。
どちらも全体像は不明だが、同じ地図と星座が描かれているようです。
MVの方は、歌詞に合わせてか地図が2箇所示されており、それらの地図には
「NEW YORK CITY New York United States」
「Midtown LONG ISLAND CITY / Austria」
「Midtown LONG ISLAND CITY / Austria」
これらは歌詞との関係はあるのでしょうか。
曲の歌詞と星座との関係
まず、歌詞に登場する実際の場所を書き出してみます。
歌詞中に登場するNYCの場所は以下の通りです。
ブリックリンⒶ
→橋を渡る(ブルックリンブリッジ)Ⓑ
→中華街(チャイナタウン)©︎
→ヴィレッジへ
※カイリー・アーヴィングを観た後
(観たのはヴィレッジの後か、ブルックリンの前か?)
→アパートの階段を昇る(主人公 or「姫さま」のアパート?)Ⓓ
→五番街を深夜に下る(徒歩Ⓐ→Ⓑ)
これらの場所のルートを先程のGoogle Map上にⒶ→Ⓑ→©→Ⓓ(車)、Ⓐ→Ⓑ(徒歩)と書き出してみました。
カイリー・アーヴィングを観たのはどこ?
まず、気になるのが「カイリー・アーヴィング観た後だったから思うんだ」の箇所。
バスケの会場に行ったのだと思われますが、試合はいつ、どこで観たのでしょうか。
カイリーは現在は(2021年末)ブルックリン・ネッツ在籍なので、ネッツの本拠地のバークレイズ・センターで試合を観たのかも知れませんが、歌詞から主人公が試合を観て物凄く興奮した状態であることが分かるので、次の可能性が考えられます。
①主人公は普段からNBAの試合を観たことが無く、彼女に連れられて行ってハマった。
②主人公はNYC在住でNBA、特にネッツの熱狂的なファンだがカイリーを生で見たことがない、つまりネッツ在籍以前に他チームの選手として登場した彼の試合を観て大興奮した。
もしネッツ在籍以前であれば、2011-2012年のキャバリアーズにいた時か、2017-2019年のセルティックスにいた時かのいずれかになります。
小沢さんは昔から曲の内容はフィクションであれあたかもご本人が主人公であるかのような作品を作るので、それを考えると、小沢さん自身はNBAの試合の話をよくされているので、①ではないような気がします。
とすれば、②の可能性が高いです。
そして、試合を観たのはニックスの本拠地のマディソン・スクエア・ガーデンか、ネッツの本拠地のバークレイズ・センターのどちらかでしょう。
Broocklynでプロットされた場所はアパートらしき場所が3ヶ所あったが、1ヶ所はNBAのブルックリン・ネッツの本拠地であるバークレイズ・センター(Google Map上のⒶ)だった。
カイリーは2012年12月15日に対ニューヨーク・ニックス戦でキャリアハイの41得点をあげたそうです。
マディソン・スクエア・ガーデンで40得点をあげた選手としては、1985年のマイケル・ジョーダンより1歳若い、史上最年少の選手だったそう。
そうした偉業を成し遂げたカイリーの試合を観た後であれば、主人公が物凄く興奮しているのも頷けます。
※2021.12.22追記:コーラスに参加されたTARO SOULさんのツイートで事実が判明。
レコーディング時に小沢さん自身がこの曲のカイリーはブルックリンに試合に来たセルティックスのカイリーだとお話されたそう。
ご本人が、この曲のカイリーはブルックリンに試合に来たセルティックスのカイリーなんですよ!と教えてくれました。
— TARO SOUL (@TAROSOUL) December 22, 2021
ということは、主人公は地図にもプロットされているブルックリン・ネッツの本拠地、バークレイズ・センターで当時セルティックスに在籍していたカイリー・アーヴィングの試合を観た後、ブルックリンブリッジを渡り...という話の流れになります。
やはり曲の歌詞は地図にプロットされている星の位置の場所と関連しているようです。
ちなみに、カイリー・アーヴィングがセルティックスに在籍していたのは2017年から2019年までなので、この部分はその頃の話、ということになるでしょうか。
新曲のラップで言ってるカイリーアービングがちょうど復帰、今季初プレーへ? というバスケニュース。運命感、誰か、誰かわかって!笑
カイリーは昔NYにビジターで来た時に生で見た。併録の『飛行する』はマイアミで試合前にアップするレブロンを見ててパターンが浮かんだ曲です。体の動きって音楽。
— Ozawa Kenji 小沢健二 (@iamOzawaKenji) December 21, 2021
運命感。
小沢さんってこういう歌と現実がシンクロするというか、運命めいたことがよくある。
こういうのって本当に凄い。
12月の五番街の様子。
五番街でプロットされている●は以下の3つ。
こういうのって本当に凄い。
階段を昇ったアパート
アパートの階段を昇ったのは、試合を観終わりヴィレッジへ向かった後になるので、主人公もしくは「姫さま」のアパートがヴィレッジにあるということでしょうか。
地図上のⒹ周辺がヴィレッジに当たり、この場所にも星が3箇所プロットされています。
1箇所はオフィスビル或いはモニュメントを指しており、残り2箇所がアパートのようです。
それらの星の場所のいずれかがそのアパートなのかもしれません。
・228 Bleecker Street
アパートの他にMolly's Cupcakes、DIG on Bleeckerという店あり。
・60 University Pl
五番街
五番街はグリニッジ・ヴィレッジのワシントン・スクエア公園が起点。
セントラルパークの東沿いを北上し、ハーレム川に突き当たる部分がその北端です。
深夜に下る五番街は地図のⒺの辺り。
ニューヨークの五番街と言えば、ティファニー本店やルイ・ヴィトン、ブルガリなどの高級ブティックや宝石店、高級デパートが立ち並ぶ超繁華街で、パリのシャンゼリゼ通りなどとともに世界で最も地価の高い通りのひとつとされています。
そんな五番街ですが、近年はアバクロやGap、ユニクロなどのファストファッションのお店も進出しています。
巨大なクリスマスツリーが飾られることで有名なロックフェラーセンターも五番街沿いにあり、12月はイルミネーションが街を飾るそう。
深夜の五番街。華やかなイルミネーションが街中を彩る。
街には静かに雪が降り積もる。
二人はそうした光景を言葉で切り取りながら街を下る。
まるで映画のワンシーンのような光景ですね...。
この五番街も星座として以下の場所が地図上にプロットされています。
地図の左上に描かれた星座のあたりが五番街になります。
ニューヨーク五番街辺りの星座の位置。南北に走るピンクのラインが五番街の通り。
五番街でプロットされている●は以下の3つ。
・ユニクロ五番街店
・M&M'sワールドニューヨーク
・ニューヨーク公立図書館本館
あと一つの星の場所が分からないのだけれど、「Champion Stamp Co. Inc.」辺り?
切手のコレクターズショップみたいなところが見つかったけど...違うかな。
「ニューヨーク公立図書館本館」は以前SNSで小沢さんが写真をあげていましたね。
「M&M's」もチラッと以前SNSにコンビニの写真をあげた際にチョコの写真があったような...?
気のせいだったかな?
ちなみに、歌詞の五番街を「下る」という表現がよく分からなかったのですが...。
ワシントンスクエア公園が起点ということなので、北へと歩くことを「下る」と表現しているのでしょうか。
もしそうだとしたら、グリニッジ・ヴィレッジから北へと進み、五番街を下っていった、ということも考えられるかもしれませんね。
Lower Manhattanのその他の星座
・140 Broadway (the Marine Midland Building or the HSBC Bank Building)
※これはオフィスビルのようです
或いは、140 Broadwayの隣に日系アメリカ人の彫刻家、イサム・ノグチのモニュメント「赤い立方体(Red Cube)」があり、これを指しているのかも知れません。
・185 Park Row(中華街に位置)
・130 Barrow Street
歌詞にない星の場所について(※追記)
あとの星座の場所、”Long Island City / Astria” や ”Bushwick” 辺りは歌詞とはあまり関係が無さそうですが...?
一体どのような意味があるんでしょうね?
もしかして続編もあったりするのかも?なんてね。
Long Island City / Astria
Long Island City / Astriaの星座の位置
ここには4つの●がありました。
具体的に何の場所なのかは全く手掛かりがないため分からないのですが、地図上にプロットした際に出てきた情報をそのまま以下に記載します。
・マレー・パーク(Murray Playground)の北、45th Aveに面する建物のどれか(40.74736, -73.94948)
・クイーンズブリッジ団地(Queensbridge)のクイーンズブリッジ・パーク寄りの棟(40.75627, -73.9476)
・Stallions(40.75488, -73.92795)
・32-27 34th Stの戸建て住宅(40.76006, -73.92337)
【追記】
このうち、楽曲に関係していそうなトピックを幾つか挙げておきます。
クイーンズブリッジ団地(Queensbridge)
クイーンズブリッジ団地は、Long Island City地区のバーノン・ブルバード(Vernon Boulevard)と21st Avenueに挟まれた場所にあるクイーンズ区最大の22棟からなるアメリカ合衆国最大の公営住宅であり、低所得者層向けのプロジェクトとして知られています。
団地は40th Avenueにある北地区と、41st Avenueにある南地区の2つの区画に分かれています。
クイーンズブリッジ団地はNYCのHIPHOPカルチャーにとって重要な場所の一つでもあります。
Juice CrewのMarley MarlやMC Shan、Roxanne Shante、Craig Gをはじめ、Capone-N-NoreagaのCapone、Mobb DeepのHavocとProdigy、Big Noyd、Cormega、Nature、そしてNasといった、数多くの著名なヒップホップアーティストの出身地でもあるからです。
なお、Nasはファーストアルバム『Illmatic』、セカンドアルバム『It Was Written』のジャケットにクイーンズブリッジ団地の写真を使っていたり、”Nas Is Like”という曲のMVをクイーンズブリッジ団地で撮影していたり、ラップでしばしば「QB」とQueensBridgeのことを語っていたりします。
Nas - Nas Is Like (Official Video)
Bushwick
・Novo Arts, Inc
・Tomo Japanese Fusion
・Believers Gateway To Freedom
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